TEDxKyoto Blog – live as it happened

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8:05 a.m.

ボランティア達が到着し、エンジンがかかります。既に興奮した空気が溢れてきています。雨天となりましたが、天気に関係なくイベントは進行するでしょう。少し中庭は濡れてしまうかもしれませんが。各チームリーダーがメンバーを集め、誰もが誰かか何かを探しているような騒ぎです。

8:35 a.m.

オペレーションチームリーダーのアンガスがイベントのスタートを告げる短く優しさに満ちたスピーチをします。皆がワクワクしていてエネルギーに満ちています。スタッフからの注意事項が告げられた後はいよいよ始動です。コミュニケーションチームの三ツ木さんが写真を撮るのは撮影チームに任せて、ソーシャルメディアに投稿するのは会場の外で行なうように注意しています。

8:48

オペレーションミーティングが完了し、ボランティア達はグループに分かれてタスクに取り組み始めます。写真チームリーダーのハビエルがイベント記録のための優れたチームを招集しています。

9:13

ボランティア達はTシャツを受け取って、それぞれの待機場所を見つけます。パーティシパント達が雨にも関わらず並び始めています。良い一日になりそうです!

9:25

舞台裏ーインテラクティブチームが休憩時間にパーティシパントの皆さんが夢中になって楽しめるようなたくさんのアクティビティを準備しています。

9:30

会場のドアが開きました。パーティシパントの皆さんはワクワクして名札とパートナー企業からのギフトバックを受け取り、第一セッションを楽しむための席を探します。

10:30

最初のパフォーマーが会場の熱気を上げます。悳炎の力強い太鼓の音色でイベントを始められるのは素晴らしいですね。世界の聴衆を突き動かしてきた彼らの伝統的な和太鼓演奏は太古からの共鳴をもたらすほど最適な幕開けはないでしょう。彼らはバレエ、舞踏、クラシック音楽とコラボし、自閉症やダウン症を持つ子供達の音楽的・教育的療法ともなっています。TEDxKyoto2015にはピッタリの始まり方ですね!彼らはジャズドラムを嗜んでいるジェイをもトレーニングしてしまうかもしれませんね。

10:42

次はステファン・チョウです。彼の写真は大きなスクリーンで見ると更に迫力を増します。なんと素晴らしいメッセージ、興味深い視点でしょうか。遊び場のデザインが地域や文化を表しているなんて。そして彼は「すべての遊び場は違っている」とも話しています。

11:11

ジェイソン・スーはTEDxアジア大使であり、優れたビジョンを持っています。また自由な考え方をします。彼が言うように、システムが壊れそうになった時にこそ、変革のチャンスが訪れるのです。彼は経済学者や政治的哲学者ではないと言っていますが、迷いの多い現代に実用的で役に立つアイディアを持っています。そして解決法を提示します。なぜなら、問題があり、解決法のないチャレンジこそ良いことはないのですから。

~ 11:20

春光院の川上副住職は21世紀における幸せの秘訣はスマホを通して人とつながることだと言うと笑われると言います。当然のことでしょう。しかしそこから、更なる深みを考察し、マインドフルネスとこの瞬間に生きることの大切さを説くのです。瞑想を実践できる方法として、私達を導いてくれます。この一日、今日という日から学ぶことができることです。マラソンをいきなり走るよりも、近所を散歩することから短い距離のジョギングへとつなげていくことができるようなものです。

11:42

神谷明日香さんは驚くべき若い女性です。12歳にして彼女は理科の自由研究の一環として自動分別式リサイクルゴミ箱を発明し、特許を取得しました。 ただ彼女のおじいちゃんを助けたいという一心からでした。そこに需要があることを見つけ、満たしたのです。先入観のない視点で物事を捉えて強い決心で取り組めば誰でも何かを達成できるということを教えてくれます。そして時に、シンプルなアイディアこそ一番優れているのです。
驚くべきことに、彼女のプレゼンテーションは聴衆を泣かせるものとなりました。改めて、誰かが真摯に取り組んでいる時には素晴らしい結果を産み出すものなのです。

11:53

寿司マエストロの井上修一さんは昨年、不慮の事故によって他界されました。追悼の意をこめて、昨年の彼のトークをご覧いただきたいと思います。もう一度ご覧になるためにはホームページにあるリンクをクリックしてください。

私達のケータリングチームのチヨ・フォックスさんより、昨年のTEDxKyotoにおいて井上さんのトークがどれほど貴重なものであったかが語られます。私達全員が彼の生き様から学び、私達自身の夢を追う責任があることを思い起こさせてくれます。人生はあまりにも短いのです。

1:30 p.m.

第二セッションが始まりました。ランチタイムは雨天にも関わらずエキサイティングで楽しい時間となりました。皆さんはカフェ・リーブルでお弁当をもらうだけではなく、パートナー企業のブースを周り、インテラクティブチームのインスタレーションで未来に向けてメッセージを綴り、他の参加者の皆さんと交流しました。オーガナイザーのジェイはこの「遊園地」のためにたくさんのアクティビティを用意しており、うまくいっているようです。

1:35

オーガナイザーのジェイが京都の素晴らしい点についてひとつ解説をします。京都は現代においても歴史的に見ても、テクノロジーと発明の中心地であり続けてきました。そして次のスピーカーである吉川浩一さんを紹介します。吉川さんは村田製作所でチアリーディングロボットや自転車ロボットの開発に携わってきました。可能性の限界を押し広げ、未来に向けて技術を推進し、限りない応用を産み出します。「何?」というのはとても役に立つ疑問ですが、それとともに「何故?」と問わなくてはなりません。彼らのロボットが持つ三つのS、stability(安定性)、synchronization(シンクロナイゼーション)、そしてsensing and communication(コミュニケーションとその察知)を具現化します。

1:47

吉松育美さんが登壇しています。2012年ミスインターナショナルの優勝者であり、女性の搾取、特に芸能界での問題に取り組んできました。女性がストーカー問題について声を上げても、世間からは声を慎むように言われてしまいます。彼女が脅迫された時の勇気ある行動は実に多くの示唆を与えてくれます。彼女が英語でスピーチするのをぜひライブストリーミングでご覧ください。また近いうちにTEDxKyotoホームページでも動画が公開される予定です。

~2:00

塩田周三さんはアニメ業界と鉄鋼業界の類似性について楽しく話してくれます。彼のスタジオである、ポリゴン・ピクチュアズは世界レベルのCGアニメを制作し、数々の受賞歴を誇ります。彼の作品が日本アニメを有名にし、芸術の域にまで高めました。皆さんが期待する通り、知らないことを教えてくれるだけでなく、エキサイティングで非常に視覚的なプレゼンをしてくれます。良い作品を産み出すには、それがどんな分野の作品であっても、チームワーク、モチベーション、集中のなせる技なのです。

2:18

宗田勝也さんは難民の窮状について訴えかけます。多くの側面を持つルネッサンスのようなこの方は日本国内にいる難民やその家族を国連難民高等弁務官事務所、同志社大学、京都三条にあるラジオカフェでの仕事を通じて支援しています。

2:31

京都に拠点を置くアミタを率いる佐藤博之さんは持続可能なコミュニティを形成することを目指しています。彼は私達が地域経済を再構築するべきだと信じています。彼は東日本大震災と津波での経験をスタートポイントとし、廃棄物を減らすことを使命としています。

2:45

もう一度観る価値のあるトーク:私達の建築家の友人、手塚貴晴さんの「他に例を見ない幼稚園」のトークで、素晴らしい幼稚園のデザインをご覧いただきます。子供本来の特性と自然に円を描く活動軌跡から、子供達に「ほんの小さな危険」を学ぶ機会を与える構造を紹介します。

2:56

門川大作京都市長は皆さんもよくご存知のフレーズ「そうだ、京都行こう」から話し始められました。京都は最近、世界の最も優れた都市のひとつにも選ばれました。文化と変革の中心地である京都は「日本の文化首都」なのです。酒造、ビデオゲーム、伝統工芸の変革の中心地でもあります。過去に存在したものが未来へと続いていくのです。環境面も進んでおり、車ではなく公共交通機関を使って京都に来る人が増えています。門川市長は京都市が他の都市のお手本になるとのビジョンを持っています。

3:30

雨にも関わらず、パーティシパントの皆さんはリラックスして交流を楽しんでいます。屋外スペースの使用が限られたためにインテラクティブディスプレイで楽しんだり、ビーンバッグラウンジでくつろがれたり、フォトブースでおかしな写真を撮ったり、またパートナー企業のテクノロジーおもちゃで遊んでいらっしゃいます。

4:32

ジェイとオペレーションリーダーのアンガスが井上太郎さんを紹介しています。井上太郎さんは類い稀なるマンドリン奏者です。楽器というものをこれまでとは別方向に捉えて、豊かな伝統を誇るブルーグラスから日本伝統音楽までを取り入れています。色々なものが混じっていることに気づかれないかもしれませんが、本当にすべてがつながっているんです。

Look at these clips:
https://www.youtube.com/watch?v=WhMj5VNaX08
https://www.youtube.com/watch?v=8Rgwn-V0XLQ

こちらの動画もご覧ください。

… and something more traditionally bluegrass, playing with his father, Saburo, one of the kings of the genre in Japan:
https://www.youtube.com/watch?v=4dWD7J3YHJ0
より伝統的なブルーグラス、父でありこのジャンルの帝王である井上三郎氏との競演はこちらをご覧ください。

彼の二番目の曲は「これは反戦ソングではありませんが、『戦争怖い』という曲です」という紹介で始まりました。たった一つの楽器を用いて、たった一人の人が奏でる曲が会場を圧倒します。

4:46

尾道デニムプロジェクトの小川香澄さんは西日本で約100年の歴史がある耐久性のある布地について語ります。彼女のストーリーから尾道の人々や彼らの独特の感性などが伝わってきます。服装によってどんな人達なのかわかることがありますが、尾道デニムは地域のシンボルとなっているのです。

5:05

次のスピーカーはイ・ヒョンソです。彼女と同じ思いをした人は世界でもほとんどいないでしょう。母国を出て戻れないことを想像できるでしょうか? ある朝起きたら今まで教えられていたことがすべて嘘だったと気づくことが想像できるでしょうか? イ・ヒョンソは脱北し、家族、家、国を失いました。彼女を包んでいた間違った情報の泡は一瞬にして弾けてしまいました。そして彼女は人権擁護に対してのパワフルな声となり、私達に圧政の罪なき犠牲者達が理解と支援を必要としていることを思い出させてくれます。善良なる人々が悲惨な状況に勇敢に立ち向かわないとならないのです。彼らは、私達と同じように、自由になりたいと願っているのです。彼女の語りはアイデンティティと所属について深く考えさせてくれるものでした。

5:20

大トリは若く、しかしパワフルなスピーカーであるアリ・ビーザーさんです。アリさんの祖父は日本に広島、長崎に原爆を落とした戦闘機に二度とも乗っていた兵士でした。アリさんはこの5年間、彼の人生と数えきれないほどの遺族や生存者の人生をつなげようとしてきました。彼は第二次世界大戦の最後に起きた事について弁解も非難もしませんが、あらゆる方向から二度の原爆投下を捉えようとしています。距離と時のギャップを超える橋をかけ、平和を訴えるメッセージを伝えようとしています。彼のトーク動画がホームページにアップされたらぜひ耳を傾けてみてください 。そして私達全てが関わっている道のりについて理解をより深め、私達が世界のどこから来たか、そして私達が存在する場所についてより考えを深めましょう。

***

スピーカーセッションの最後に私達は「舞台裏」を映した短いドキュメンタリー映像を鑑賞しました。短い編集時間にも関わらず、素晴らしい出来となりました。ジェイと熱心にボランティアにあたったメンバー達がステージに上がり、イベントの成功を祝いました。多くの人々がこのイベントを実現するために一生懸命ボランティアしました。そしてそれは誇るべき事なのです。

6:00 – 8:00 pm.

アフターパーティーはパーティシパントの皆さんにとってスピーカーと交流できる素晴らしい機会です。私達のケータリングチームがカフェ・リーブルに素晴らしい食べ物や飲み物をたっぷり用意しました。またサステナビリティチームリーダーの北林佳奈さんがTEDxKyotoではゴミの減量に努めているので、パーティシパントの皆さんにも資源の有効活用することを促しました。TEDxKyotoで出されたゴミはすべて分別され、リサイクルされます。この規模のイベントには珍しく、使い捨てのカップは利用されておらず、多くのパートナー企業がなるべく環境に優しいイベントにしようと協力してくださっています。

長時間にわたるアクティビティにも関わらず素晴らしい評価をいただいて一日を終えました。盛り上がっているパーティシパントの皆さんは最後の最後まで会場に残っていたいようでした。私たち全員が元気を得て家路に着きました。これがTEDxなのです。新しいアイディアに熱狂し、素晴らしいニュースを分かち合い、ストーリーにインスパイアされるのです。

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