アンガスは2013年からTEDxKyotoにボランティアとして参加してきました。日本在住歴26年となるアンガスはアメリカ合衆国のノースカロライナとテキサスで育ちました。来日する前には、コロラド州デュランゴでラジオアナウンサーやキャンプディレクター、バスドライバー、パン職人、スキーリゾート従業員といった仕事をこなしました。アンガスは日中、京都外大西高等学校の国際文化コースで「元気一杯でクレイジーな10代の子供達」と一緒に過ごしており、同校での教歴は23年にもなります。京都外大西高校は一年に一度行なわれる関西高校模擬国連のディレクターを務め、また京都ユネスコ協会でのメンバーでもあります。これらの仕事で培ったすべてのことがTEDxKyotoを運営する上で非常に役に立っています。アンガスはキュレーションチームに所属する塩見かよこさんと結婚しており、15歳の息子さんもいます。
TEDxKyotoを代表してアンガスにインタビューしてみました。
TEDxKyoto(以下TxK): TEDxKyotoに興味を持ったきっかけは何ですか?
アンガス:
京都は素晴らしい、人を惹きつける都市で、人々の経験が何層にも何層にも積み重なっているんです。京都は私の「ホーム」になりました。本当にここに住むことが大好きなんです。TEDxKyotoのお陰で私はより深く街に入り込み、多様性に富んだ住人達 – デザイナーや宗教家、まちづくりのリーダー、地場産業の社長、学生や教員達 -すべてボランティアとしてTEDxKyotoに才能を分かち合う人達と触れ合うことができました。初めてミーティングに参加した時から、とても歓迎され喜んでもらえたことを実感しました。これらのつながりを通して、京都に詳しくなり、私自身の街との関わり方も良くなり、京都を「ホーム」と呼ぶ人々ととても仲良くなることができました。
TxK: ここ数年で特に発展したと思われることはありますか?
アンガス:
TEDxKyotoチームはこの数年に渡ってたくさんのことを学んできました。知識が増えるにつれて、イベントの質も上がってきたと思います。パートナー企業との絆も強くなってきました。TEDxKyotoの持つネットワークは更に拡大しています。手違いもありましたが、そうしたミスからも学んできました。経験豊かなボランティアメンバーが新人メンバーと一緒に取り組むことによってクリエイティブな雰囲気や力強さが生まれ、それによって世界をリードする基準のイベントを作り上げることができていると思います。
TxK: オペレーションチームを率いる上で最も大変なことはなんですか?
アンガス:
世界中で行なわれているTEDxイベントはすべてボランティアによって、膨大な時間を費やして開催されています。先ほど申し上げたように、私達は多様性に富んだグループで、建築家、教師、デザイナー、コンサルタント、実業家、経営者、学生、会社員、など多岐に渡っています。TEDはこのような様々な人々を惹きつけ、世界各地で開催されているTEDxにおいてもそこに違いはありません。おそらく一番大変なことはミーティングのために皆の都合が合う時間を見つけることだと思います。毎日の仕事や家庭、学校生活や個人的な生活事情をTEDxKyotoのスケジュールに合わせるのが大変ですね。日程調整を常にたくさん行なっています。
TxK: 最近ニューヨークのTED本部に訪問されましたね。その時のことを教えてください。
アンガス:
今年の夏休みに妻のカヨコとニューヨークにあるTED本部を訪れました。まさに想像していた通りの21世紀のオフィスでした。色とりどりのクッション、ビーンバッグチェアが置かれており、様々な場所でノートパソコンを使って作業をしていました。デスクスペースは開放感たっぷり。クールな会議室やTEDトークを見たり即興のプレゼンテーションを行なえる小さなアリーナがあります。卵のような形をしたタワー型ナップポッドまであり、プライバシーが欲しい時や昼寝をしたい時には登って横になることができます。
そしてもちろん、本部の人々は優しく、良い方ばかりでした。本部内を案内してくれて、屋上からマンハッタンの街並みを見せてくれました。そうしてTED本部が新しい企画としてどんなことに取り組んでいるかを教えてもらったり、TEDxKyotoの様子を尋ねられたりもしました。
TxK: TEDxKyotoにどんなアドバイスをしてくれましたか?
アンガス:
本部スタッフもTEDxKyotoのことはよく知っていて、次回11月8日に行なわれるイベント
ついてもとても興味を持っていました。私達のイベントの質を褒めてくれ、TEDxKyotoが持つバイリンガルな資質にもとても興味を持ってくれました。それでさらにやる気が出ましたし、京都に戻った時にはチーム全員がTEDxKyotoがTED本部から注目されていることを知ってとても喜び合いました。
TxK: この数年の間に先進的な人達にたくさんお会いになったと思います。いくつか印象に残るエピソードを教えてもらえますか?
アンガス:
2013年に私はカナダのウィスラーで行なわれたTEDActiveに参加しました。これはバンクーバーでTEDカンファレンスと同時に行なわれている年に一度のイベントです。特に強烈に覚えているのは二人のスピーカーです。
・ヒュー ハー:走り、登り、踊ることを可能にする新たなバイオニクス義肢
・ザック エブラヒム:テロリストの息子に生まれてーー平和への道を選んだ軌跡
TxK: もしこのブログを読んでいる方が地元でTEDxを開催したいと考えたなら、どんなアドバイスをしますか?
アンガス:
小さく始めること。色々な属性の人々を集めることです。ネット上のTEDx開催のためのフォーラムに参加して、アイディアやアドバイスをシェアするんです。実際にパーティシパントとしてTEDxイベントに参加したり、ボランティアとして経験を積んでみてください。そして飛び込んで、始めるんです。どのようなアイディアに対してもオープンになり、避けられないミスが起きてしまった時にはいつまでも引きずらないように。ミスから学んで、再編成し、続けるんです。
TxK: バイリンガルイベントを開催するにあたって特に大変なことはありますか?
アンガス:
とにかく時間がかかります。公式な告知やPR、ウェブサイト、ブログなどすべてを翻訳して日本語と英語で発表しなければなりません。チケット担当チームはリクエストや質問に迅速に日英両方で対応する必要があります。ミーティングも二カ国語で行なわれることもあります。イベント本番では生同時通訳をすべてのトークで提供します。時間はかかりますが、多様性豊かなパーティシパントの皆様にとってオープンにすることが大切なんです。
TxK: もしTEDxトークをするとしたら、どんな話をしますか?
アンガス:
「TEDxKyotoで妻と一緒にボランティアをすること」
・・・たくさんお話ししないといけないことがありそうですね。