TEDxKyoto ボランティア プロフィール: 三ツ木 隆将 : コミュニケーションチームリーダー

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私が自転車を停めた瞬間からここにはユニークなスタイルで住んでいる人がいるとわかりました。クールでレトロ、テクノロジーとモダン、古さと新しさが入り交じっているのにぶつかり合っていない様子がわかりました。

タカさんはTEDxKyotoコミュニケーションチームのリーダーであり、クリエィティブディレクターです。ほんの一握りの人しかこれほどハードにTEDxイベントを成功させるべくボランティアをしている人はいません。

築150年を超す京都の町家の鬱蒼とした木々と石に彩られた入り口を抜けます。ここは京都の着物地を産する地区であり、昔ながらの織物を作る工房や卸問屋が軒を連ねています。彼は見たこともないようなホームオフィスを作り上げていて、そこを職場としていました。その「司令本部」は木やアート、音楽、おもちゃ、自然光、そしてハイテク機器のミックスです。TEDxKyotoでボランティアをしていない時にはウェブやグラフィック、さまざまなデザインの仕事をしています。

挽きたてのコーヒーをいただいて落ち着いてから、彼の過去、現在、未来についてお話しをしました。インタビューは時に英語になったり日本語になったり、多くの美しい曲線を描き出します。BGMにはジャズが流れています。ひとしきりコーヒーメーカーやiPhoneケースを比較したり、お気に入りのアクセサリーの話をした後、彼が話を聞かせてくれました。ここで面白いハイライトをお伝えしましょう。

マイク:バックグラウンドについて教えてください。なぜバイリンガルになったのですか?

タカ:そうですね、まずアメリカに10年住んでいました。ノースカロライナ州で彫刻を3年勉強して、それからサヴァンナ芸術大学に編入しました。その当時は英語が得意ではなかったので、卒業するために英語をたくさん勉強しなければなりませんでしたけど。それからニューヨークに移って日系の会社に3年間勤めました。

マイク:興味に向かってまっすぐに進んでいるように見えますね

タカ:そうですね。彫刻を勉強したことで3Dデザインや空間デザインに興味を持ち、それを表現する為にアニメーションやモーショングラフィックス、グラフィックデザイン、それからウェブデザインにも興味を持ち勉強をしていました。

マイク:TEDっぽいですね。あなたのオフィスにはハイテクとアナログが同居している。説明していただけますか?

タカ:物事の一面しか見るのは嫌だと考えているので、色々なものを組み合わせたいんです。竹、植物、サボテン、工芸、テクノロジー、コンピュータも。興味があるものすべてかな。

マイク:日本語にも”a jack of all trades”という意味の表現はありますか?何でもこなしてしまう人のことです。

タカ:日本語だと「何でも屋さん」になのかもしれませんが、少し否定的な意味になってしまうかも・・・何一つちゃんとできないというように聞こえるかもしれません。英語の方が合っているかもしれませんね。何かのプロデューサーとかディレクターとか、全体を見て、同時にすべてをオーガナイズしている人。それはまぁほんの冗談ですけど。

マイク:歴史上のヒーローはいますか?存命の人でも亡くなっている人でも、尊敬している人は誰ですか?

タカ:彫刻をしていた時の僕のヒーローはミケランジェロでしたね!(日本語でとても早口に切り替わって明らかに興奮していました)、ルネッサンスが好きで、もちろんダヴィンチも。彼らはとても多くの異なる事柄に取り組んで、多くの興味を持ち、とても美しくて、面白いと思うものにはただ取り組んだんです。芸術大学に行く前は何もアートについて勉強していませんでした。最初にバーモント州にある英語学習コースに行って、それからアートをやると決めたんです。

マイク:高校の時にはどんな感じでしたか?

タカ:ただファッションや音楽といったものが好きでした。高校を卒業した後は東京のデニムの販売を中心とする洋服屋で働いていました。たくさん服を売りましたよ。古着のリーバイスなどのデザインをベースとした服です。髪をそり落としてギャングスターのような時もありましたけど。笑

マイク:あなたはとても枠にはまらない人ですね。それが自営の理由ですか?

タカ:ええ、自営です。でも自営というのは難しい面もあるかもしれませんね。日本は企業社会なところもありますし。今私にとって、自分のために働くということは、様々なデザインワークやウェブプロジェクトを手がけたり、TEDxKyotoのような面白い企画やイベントに携わることができるということです。色々な分野で様々な人達と知り合うことができるので、とても楽しんでいます。

マイク:TEDxKyotoのコミュニケーションとクリエイティブチームに関わっていて一番好きなことは何ですか?

タカ:物事を作りあげるプロセスが好きですね。例えばクリエイティブチームでは色々な課題を解決して挑戦し、一緒に作り上げて行くんです。イベントで多様な方達が楽しんでいらっしゃる様子を見られるのが好きです。

マイク:イベント実現のためにチームで取り組んでいるのは素晴らしいですね。

タカ:はい。TEDxKyotoはそういうプラットフォームでとても面白いコミュニティが育っているんです。ここが起点ですね。

マイク:TEDxKyotoははや4年目となります。どのように知ったのですか?

タカ:最初はキックオフパーティーにいって、知り合いはほとんどいませんでした。TEDトークを聞いたことがあったので興味を持ったんです。もうどのトークを最初に聞いたのか忘れてしまいましたが。高校生の時にTEDの創始者であるリチャード・ソウル・ワールマンの記事を読んで「情報アーキテクト」という考え方をとても気に入ったんです。そこから繋がったのかもしれませんね。

マイク:それからテクノロジー、エンターテイメント、そしてデザインというそもそものアイディア、あなたの興味が一か所に集まっていますね。彼に会ったことがありますか?

タカ:いえいえいえ、まだです!会いたいですけどね。でも昨年のTEDActiveで(TEDキュレーターの)クリス・アンダーソンには会いました。たくさんのTEDx オーガナイザーにお会いしてとても興奮しましたよ。カンファレンスのために一週間滞在しました。ジェイ(TEDxKyoto エグゼクティブプロデューサー/ファウンダー)とエリック(インテラクティブチームリーダー)、そして野田さん(プロダクションチームリーダー)と一緒に行きました。TED, TEDx、TEDxKyotoのことについて、そしてTEDxKyotoに取り入れられることをたくさん話しました。メインビジョンについては特に力を入れています。

マイク:京都は新しさと古さが混じった場所ですね。特に京都と関連して実現したいことは何ですか?

タカ:京都は伝統工芸の素晴らしい伝統がありますが、それをどのように発信していって良いのか、戸惑われる場合も多いと感じています。私達はそれらを海外に発信していくことができますし、新しいアイディアを持ち帰ることもできます。化学反応のように新しいものも古いものもどちらでも構いませんが、組み合わせることで新しいことを創り出すことができると思います。次にどんなことが起こるかわからないんですから。どんなエキサイティングで面白いことが待っているかわかりませんよ。

マイク:お気に入りのおもちゃは何ですか?アイディアはどこから得ていますか?

タカ:自転車が好きです。というか自転車に乗ることが好きなんです。自転車に乗って200km走っているような時には静かで無の境地になれるんです。まるで禅のような空っぽの入れ物ですね。満タンの時には役に立たないんです。

マイク:あなたの哲学、モットーは?

タカ:好きなポスターにこんな言葉があります。京都でNYにあるデザイン会社の創業者にお会いしたんですが、「This is your life, do what you want to do. If you don’t like it, change it」….といったものです。この会社のポスターを直接NYから取り寄せたときに会おうよと連絡があって。セレンディピティでした。TEDもTEDxもそんな感じですよね。

マイク:次の目標は?

タカ:このイベントが無事終わったら考えます。それまではもう忙しくて大きなことは考えられないです!

マイク:最後の質問です。もしTEDxトークをするとしたらどんなトークをしますか?

タカ:難しい質問ですね!いつもどうやったら自分の周りのことを何かにつなげられるか、どうやってコミュニケーションをとるか考えています。禅の思想が好きで、音楽も好きです。空間、無、つながり。日本の伝統的な考え方では万物に魂が宿っていると考えます。すべてです。無にも、石にも、木にも、人々も、そしてつながっているんです。そんな話がしたいかな。

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