Session 1 : The Power of Kyoto
Session 2 : Ideas Worth Doing
Session 3 : Tech x Art x Design
Session 4 : Global Visions
Session 1:The Power of Kyoto
BATI-HOLIC×フクヤマトシキ×小川多郎吉
Taiko Performance(和太鼓)×Video Creator(映像作家)
魂を揺さぶる音は、魂により奏でられる−−−和太鼓を中心に唄・笛・鳴り物を織り交ぜた楽器編成で、国内外で演奏活動・指導活動を展開するBATI-HOLICは、京都を活動拠点として、2004年に結成。印象的なフレーズを軸に構成されたキャッチーな楽曲、観衆を飽きさせないダイナミックな構成、自由奔放にステージを彩る個性的な奏者達、それらに裏付けられた強烈な「ライブ」は、時に観衆を総立ちにさせる程の一体感を叩き出します。「日本のサウンドで俺達はもっと楽しめるはずだし、世界を楽しませることだってできるはずだ」。今回は、TEDxKyotoだけに結成するスペシャルユニットでの登場。彼らが繰り出す情熱的なサウンドは、海を越え世界に響き渡っていきます。
<スペシャルメンバー>
フクヤマトシキ(Toshiki Fukuyama) 主にFM京都・α-STATIONのDJやミュージシャン、ブランド・コーディネイターとして数々のプロジェクトで活動中。
小川多郎吉(Tarokichi Ogawa) 京都を拠点に活動するクリエイティブユニット「maxiro」の映像作家。映像制作の他にもアートライブ、インスタレーション、空間演出など多方面で活躍。
松本 紘
宇宙電波工学者
「地球外発電」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、宇宙太陽光発電所構想ともいわれます。宇宙空間に太陽光発電衛星を打ち上げ、そのエネルギーをマイクロ波に変換し、地球に届けるシステムのこと、将来的には、人類の生存に向けた道を宇宙に模索することでもあります。松本紘さんの専門は、この地球外発電であり、今回TEDxKyoto2012の会場は、まさにそうした研究の最先端の地なのです。その京都大学で1987年に超高層電波研究センター教授に就任し、2002年に宙空電波科学研究センター長、04年に生存圏研究所所長などを歴任。英文論文301編、和文論文54編と、国内外に向けて発信してきました。昨年の東日本大震災以来、エネルギーの問題が特にクローズアップされています。持続可能なシステムには何が必要なのでしょうか。人類生存について、またそうした研究を支えるこれからの学問のあり方がどうあるべきなのか、京都大学総長として大局的な立場からメッセージを発信します。主な著書に「宇宙開拓とコンピュータ」「京の宇宙学」「宇宙太陽光発電所」。
千松 信也
ディアハンター
京都在住の猟師。鉄砲を使わない「わな猟」という伝統的手法でシカやイノシシを捕獲し、解体や加工も自身で行うという「自分で食べる肉は自分で捕る」生活をしています。京都大学在学中は、世界の様々な社会問題に現地で直接関わり、1999年には国際連合東ティモール・ミッション(UNAMET)の監督下で実施された、独立に関する住民投票に国際投票監視員として参加。その後も西ティモール難民キャンプでの医療ボランティアやインドネシアからの救援物資の輸送業務などに従事。現地の人々の独立に向けた力強い活動に関わる中で、「自分自身が責任をもって生きていく」ということの意味を考え、また、この世界が抱える様々な問題点にも直面しました。このような経験を経て現在は、地球の裏側から輸送された食材がスーパーに並び、食品の偽装が蔓延するこの時代に、自分の家の裏山で獲物を捕り、命の全てを「余すことなくいただく」生活を実践する千松信也さん。春には山野草を、夏には川魚を、山からは薪を。土地に根ざし恵みに感謝しながら、この冬12回目の猟期を迎えます。
熊坂 仁美
起業家&ソーシャルメディアエバンジェリスト
ソーシャルメディア界で、いまやその名を知らない人はいないといわれる熊坂仁美さん。しかし、知られざる彼女の社会人デビューは、なんと42才のとき。時給1000円の不動産会社でのアルバイトからでした。その後、営業職、インタビューライターを経てコンサルタントに転身。異色のキャリアを持つ女性としてNHK『グラン・ジュテ』に取り上げられ、マスメディアにも多数登場する、ソーシャルメディアのエバンジェリスト(伝道者)です。「売り手の想いが買い手に伝わっていない」ことに気付いたのは、年間数百人の購入者の話を聞く仕事に携わったインタビューライター時代。程なくしてフェイスブックに出会い、人と人だけでなく、人と企業が簡単につながって会話ができる新しい世界に強い興味を持ち、ソーシャルメディアの研究と実践を開始しました。現在も定期的に渡米し、最新のソーシャルメディアマーケティングの情報を取り入れ、講演活動や企業へのコンサルティングに活かしています。また彼女の著書はベストセラーとなり、韓国、台湾でも発売されています。
平野 啓一郎
小説家
小説家。1999年、京都大学在学中に『日蝕』で第120回芥川賞を受賞。当時史上最年少タイ23歳での受賞で、該博な知識と華麗な漢文的文体を駆使して鮮やかに作品を描き出したその早熟な才能は「三島由紀夫の再来」として注目を集めました。2004年には、文化庁の「文化交流使」として1年間パリに滞在。ヨーロッパ各地での精力的な講演活動をはじめ、対談、評論等も積極的に行った20代を経て、2008年には現代人の生の孤独と哀しさ、悪、「幸福」の意味を徹底して追求した『決壊』、翌2009年には「現代の困難の克服」を課題とした近未来小説『ドーン』を発表。『ドーン』では、「分人主義(ディヴィジュアリズム)」、「無領土国家」などの数々のアイディアを、エンターテインメント性と文学性とを両立する「希望の物語」として編み上げ、新境地を示しました。作品は、フランス、韓国、台湾、ロシア、スウェーデン、エジプト等で翻訳され広く海外にも紹介されています。2008年からは、三島由紀夫文学賞選考委員、東川写真賞審査員。現在は、コミック誌『モーニング』に長篇小説『空白を満たしなさい』を連載中。近著は、『私とは何か 「個人」から「分人」へ』(講談社現代新書)。また11月には、最新長篇小説『空白を満たしなさい』(講談社)刊行予定。
Session 2:Ideas Worth Doing
殿岡 康永
ゲームデザイナー
「関西からアジア、世界へつながる日記」。ブログのタイトルは、殿岡さんのビジョンそのもの。京都工芸繊維大学維学部デザイン経営工学科卒業後、大阪市立大学大学院で学んだ殿岡さんは、日本のソーシャルネットワーキングサービスの「ミクシィ」プロデューサーを経て世界有数の検索サービス会社「百度」プロジェクトマネージャとして活躍。「百度」在任中に世界に刺激され、日本独自で世界に通用するサービスを作り出そうと一念発起。京都で会社を起こし、GPSモバイルサービスを用いたゲーム「GPSエンターテイメント」を展開。この「GPSエンターテイメント」を活用して京都の地域活性にも取り組み、今年サンフランシスコで行われた世界最大級のゲームカンファレンスである「ゲーム・ディベロッパーズ・カンファレンス 2012」(GDC2012)で、アジアで唯一、スマートフォンタブレット部門で選出され、国内のみならず世界の数多くのメディアにも取り上げられるように。今、世界が注目している日本人の一人です。「GPSエンターテイメント」を京都、アジア、世界へ拡げ、このゲームを通じて世界を一つにすることを願って活動しています。
安田 ナオミ
グラフィックデザイナー
わたしたちは現代社会において、個人、学校、企業、国同士など、ありとあらゆるところで膨大な量の情報を共有しようともがいています。このように急速に増え続ける情報をいかに整理・共有すべきかということは、人類にとっての長年の課題であり、心理的、社会的、個人的など、これまでにさまざまなやり方が試みられてきましたが、だれもが納得できる情報整理法は、残念ながらまだ見つかっていません。しかし、その解決策が見つかるのは、もう時間の問題かもしれないのです。オランダ出身のグラフィックデザイナー、安田ナオミさんは、昨年京都にあるインタフェースデザインを専門とする企業に就職し、そこで「思考地図=Think Map」 と呼ぶシステムの研究に参加しました。それは情報を共有するための洗練されたフレームワークで、地球上の人間なら誰もが経験的に知っている思考のフレームがベースにあり、国や文化、言語を超えて世界中の人が情報を共有できる可能性を提案しています。この多彩な応用力を秘めた思考地図を使い、世界中の人が自由にコミュニケーションできる時代がやってくるのも、そう遠くないのかも知れません。
デイビッド アーンスト
教育イノベーター
教科書、プリント、鉛筆、そして向かい合う先生と生徒。こうした教室での学習風景を通じ、これまで子どもたちは多くの知識を身につけてきました。しかし、ビデオ会議システムを活用すれば、世界中の教室がリアルタイムでつながっているというあたらしい授業風景が生まれます。また、教科書が全てオンライン上にある高校なら、資源の節約につながるだけでなく、生徒たちが重い教科書を持って家と学校を往復する必要もなくなるでしょう。これらの新たな可能性は、教育現場の大きな変化の一つで、従来の教科書、プリント、鉛筆などの「道具」に加え、新たに「技術」の導入が試みられているのです。こういったあたらしい教育こそが人類にとって最大の希望であり、現代社会が直面する問題解決の糸口を劇的に見つけることができるかもしれない……。ミシガン大学の教育・人間開発学部の情報主任、デイビット・アーンストさんは、それを理解している、世界でも希有な存在。教育、そして世界を変えるために、モバイル技術や、オープンソース化された教材や動画共有システムなどの現代技術を駆使し、より多くの子どもたちの学習意欲を引き出そうと努力し続けています。
トマシュ マフ
バイオリン演奏
音楽はものすごい力を持ち、人と人を親密にさせたかと思えば、途方もなく遠い国への旅もさせてくれるーーー。トマシュ・マフさんはまさに、そんな音楽の力について語ることができるミュージシャン。チェコの音楽一家に生まれ育ち、幼い頃から自然に音楽的素養が身についていた彼を魅了したのは、「ブルーグラス」といわれる、カントリー似たアメリカ音楽。その運命的な出合いは、彼の情熱に火をつけ、16歳の夏のワークショップでは、その若さですでに教える立場として関わっています。さらに、有名なブルーグラス・ミュージシャンのアルバム数枚のレコーディングにも参加。音楽に対する熱き思いはとどまることなく、ニューヨーク、そしてチェコ・テプリツェの音楽学校へ進学します。その後、伝説的なアメリカのバンジョー演奏家、トニー・トリシュカとツアーを行い、チェコ・フィルハーモニーオーケストラとバンコク・シンフォニー・オーケストラ両方で活躍。現在はプラハに住んでおり、作曲活動と、幅広いジャンル(クラシカル、ジャズ、その他現代音楽)を取り入れた演奏を行なっています。
井口 奈保
TEDxTokyoオペレーションディレクター, TEDxTokyo yz ファウンダー
「状況が困難になれば本当に強いやつの出番となる」という英語の古いことわざがあります。これはまさに井口奈保さんのための言葉です。人間と、その生み出す文化について学びたいという思いを長い間、温め続け、大学でもその情熱を追求し、アメリカの大学院では組織心理学を習得。しかし、彼女の分野を生かせる仕事は見つかりませんでした。ここで多くの人は諦めるところでしょうが、彼女はフリーランスという生き方に目を向けました。そのうち「TEDxTokyo」に関わるようになり、今ではこのプロジェクトに欠かせない一員となってます。さらに、彼女は「コミュニケーションプロセスデザイナー」としてビジネスを始めました。これは、社会的・文化的変化をもたらす原動力として、コミュニケーションと信頼関係こそが大切であるという信念に基づいて、企業やNPO、時には政府のために、それぞれに合った業務プロセスや環境をデザインする仕事。日本、ひいては世界中どこでも、一人ひとりが希望を持てる社会であってほしいというのが、彼女の願いです。
ジェフリー・ジョウサン&イバン・コバック
映像作家
東北、福島、石巻(宮城)。2011年3月11日、自然災害の脅威と、言葉を失うほどの恐怖をとらえた映像とともに、これらの地は世界が知る所になりました。しかし今、この東日本の地は、友情、コミュニティ、希望あふれる地として、新たな変革の時を迎えています。その様子を「Then and Now」というドキュメンタリー映像にまとめたのが、ジェフリー・ジョウサンさんとイバン・コバックさんの二人。 コバックさんは、映画やテレビ、CM、ミュージックビデオ、ウェブメディアなどで活躍する経験豊かなカメラマンで撮影監督。一方のジョウサンさんは、日本の大手スタジオでチーフエンジニアとして制作にかかわったり、異文化コミュニケーションを重視したビジネスアドバイスをする企業の代表取締役でもあります。2人は 「One Day on Earth」 というプロジェクトを通して偶然出会い、多くの3.11の生存者にインタビューしました。そうして出来上がった「Then and Now」に映し出されているのは、震災、津波、そして原発事故直後の生々しい映像と、生き残った人たちそれぞれの胸の奥にある喪失感や希望が語られていく様子。再生と希望を決意した人々の強さに、わたしたちはきっと心を揺さぶられることでしょう。
Session 3:Tech x Art x Design
谷元 浩之
短編映画祭ディレクター
南米グアテマラ生まれ、コロンビア育ち。幼い頃から、日本、南米、北米を行き来する生活を送り、ボストンのタフツ大学にて芸術文化を専攻。卒業後、ニューヨークで映像業界に入り、日本向け報道番組の映像編集などを担当。9.11(アメリカ同時多発テロ事件)の際は様々な日系番組をサポートしました。その一方で、同時期に、画期的なインディペンデント映画祭に参加。いわゆる「大衆向け」とは全く別で刺激的なインディペンデント映画に夢中になり、次第に映画祭の世界に関わるようになります。そして今では、形式、ジャンルを問わず、常に新しい文化価値を顕在化している映像作品を発掘するだけでなく、独自の映像制作にも力を入れていて、彼が手がけた実験的な短編映画『Six』や『Ki-Do-Ai-Raku』は、映像上に異なる文化的・社会的視点を描くことに対する強い意志を表しています。現在の目標は、インディペンデント映画の認知度を高めること。映像も情報になった現代だからこそインディペンデント映画の多様性にもっと注目して欲しいと、谷元さんは日々上映や制作に取り組んでいます。
河江 肖剰
考古学者
エジプト考古学者である河江肖剰さんの専門は、巨石建造物の3D計測とピラミッド時代の住居考古学。1992年~2008年、エジプトのカイロ在住。アメリカ大学エジプト学科在学中に、Ahmed Fakry賞、Human Social Science賞を受賞しました。2004年から現在まで、米国古代エジプト調査協会(Ancient Egypt Research Associates、AERA)の区画責任者として、ギザのピラミッド時代の都市遺構「ピラミッド・タウン」の発掘調査に従事。その間、日米合同調査によるケントカウエス女王墓の3D計測調査や、アメリカ・エジプト調査センター(American Research Center in Egypt)によるルクソール修復プロジェクトなどに参加。2008年、レーザー・スキャニング・ディレクターとして、エジプト最古のピラミッドであるサッカラの階段ピラミッドの3D計測国際プロジェクトを完遂。2012年、名古屋大学博士課程を修了(歴史学博士)し、日本学術振興会特別研究員(同大学院文学研究科)に。様々な専門分野を結びつけ、ピラミッド・クエストに挑戦しています。
森田 真生
独立研究者
「数学の演奏会」をご存知ですか?そのステージで拍手に包まれる演奏家=Playerこそが森田真生さんです。2010年、東京大学理学部数学科在学中に、福岡県糸島市に数学道場「懐庵」を立ち上げたのが、独立研究者としての第一歩。以来、「思考を超えた制約の中に思考を投げ出す」ことをテーマに、さまざまな実験的ワークショップを開催しながら、大学制度の外側で独自の研究活動を展開してきました。主な関心は「圏論」「計算論」。現在は京都に拠点を構え、自然と「ともに-考える(com-putare)」という、言葉本来の意味での計算(computation)ということを理論的、実践的に追求しています。同時に、数学の世界の数々「名作」を「演奏する」ことをコンセプトに、「数学の演奏会」を全国各地で開催しています。
アンジェリカ リム
ロボット工学者
「ロボット」と聞いて、あなたはどんなものを想像しますか。SF映画やテレビ番組、漫画のキャラクターのような空想の産物?それとも、ある意味非現実的な工業用マシン?しかし、アンジェリカ・リムさんが思い描く「ロボット」は、日常生活の手助けをしてくれる、身近で感情豊かな存在。そして、そんなロボットがあふれる未来なのです。現在、アンジェリカさんは京都大学の知能工学の博士課程に在籍し、さまざまなロボット工学関連のプロジェクトに精力的に関わっています。例えば、海中自動車や、視聴覚的に感情を表現し人間とロボットが対話できるヒューマノイドがあります。また最近取り組んだ音楽を奏でるロボットは、国際会議や雑誌、テレビで取り上げられ、2010年には、ロボット界で権威の高い国際会議「IROS」(知能ロボットとシステムに関する国際会議)において、エンターテイメントテクノロジー分野で卓越した業績をあげた論文に贈られるNTF賞を受賞しました。ストレスなくわたしたち人間と共感し合えるヒューマノイド・ロボットは、本当に未来に実現できるでしょうか?彼女のような情熱的なロボット科学者がいる限り、その答えは「Yes!」です。
伊藤 恵理
科学者
「車を運転するとき、目視やミラーで周囲の状況を確認して車間距離を維持しますよね。でも、飛行機では目隠しをしたまま、レーダーを監視する管制官からの指示だけで飛んでいるような状態なんです」。伊藤恵理さんの研究テーマである次世代航空管制システム「ASAS」は、パイロットが周囲の状況を把握する手助けをし、安全で、かつ燃料効率のよい飛び方を選び、環境に優しい飛行の実現を目指しています。東京大学大学院で博士号を取得した伊藤さんは、2007年からは日本で唯一の航空管制に携わる電子航法研究所に在籍。またユーロコントロール実験研究所に博士研究員として渡仏し、現在はオランダ航空宇宙研究所と東京大学で客員研究員を兼任しながら、未来の航空交通をコンピューターで再現した大規模シミュレーションによりASASの安全性を評価。国際航空科学会議(ICAS)において McCarthy awardおよびJohn J. Green awardを授賞後、2010年からはICAS常任委員も務め、国際的研究活動にたずさわっています。
朝倉彩(箏)
箏
多絃奏者として活躍する朝倉さんは、東京で生まれ、6歳から箏を始めました。作曲家・箏曲家である故・宮下秀冽氏に師事し、箏の演奏はもちろん、音楽理論、作曲も習得。NHK法学技能者育成会専攻科を修了し、NHK「今年のホープ」にも選ばれています。NHK国際放送およびNHK音楽祭、文化庁移動芸術祭参加公演など多数の演奏に参加。NHK芸術祭参加作品「火と水と祈り」「風花無限」への出演、宮城道雄生誕100年記念「現代邦楽の春」、大阪センチュリー交響楽団との競演ほか、30弦・26弦の多弦箏による独自の世界を展開しています。1998年にはオリジナルCD「彩」をリリース。彼女の生み出す音は、雨の音、風の音といった自然の音色から、数式を連想させる高度に抽象的な旋律まで幅広いスペクトラムを描きます。最近では、京都東山の霊山正法寺にて、宗教家、映画監督、ジャーナリスト、宇宙物理学者、哲学者、音楽家、官僚、外交官、作家などを招いた勉強会「夕陽を観る会」も主催、声明とのコラボレーション「日想観」の演奏も話題をよんでいます。
Session 4:Global Visions
1.G.K.
デジタル・グルーブ・ロック
まず足元から響くドラムの音。次の瞬間には高速ビート。そしていつの間にか、体を揺らしてサウンドに身をゆだねているわたしたちーー。そう、きっとそこには「1.G.K.」がいるはず!「京都のデジタル・グルーヴ・ロックバンド」と称される「1.G.K.」は、Andy(Vo)、Katsu(Vo , Programming , Dance , Scratch , Production)、Hiroki(g)、Kyohei(b)、Show(DJ)、Jodie(dr)によるインターナショナルな6人組バンド。テクノ、ドラムンベース、フィルターディスコ、ブレイク・ビーツすべてを組み合わせ、パッションとエナジーがほとばしる「ダンス・ロック」「テクノ・ロック」といわれる音楽を創り出します。生の楽器演奏とボーカルに、シーケンサーやスクラッチ、サンプリングなどのデジタルサウンドを融合させる独特の手法がその魅力。リリースしたばかりの新曲「Scene(feat.Snipe)」をはじめ、「Dragon」「Life」「One Shot」のミュージックビデオも、マルチメディアを駆使した芸術性とエナジーに満ちあふれています。これまでにないデジタルマジックによって、ロックとクラブミュージックの新時代を切り開く彼らのサウンド。あなたもきっと、虜になるに違いありません。
ガー レイノルズ
プレゼンテーション指導者
「顧客と効果的にコミュニケーションを図る能力こそが、本当に成功している企業の秘訣である」。このシンプルなルールに基づき、企業と顧客が強固な信頼関係を築けるよう、奔走し続けてきたガー・レイノルズさん。キーノート・アドレス、つまり新製品発表会の基調講演などにおける彼のプレゼンテーションは、時に狂信的といわれるほどその企業の製品を長く愛用してくれる顧客の獲得につながりました。現在は、自分の経験や知識を生かし、デザインや、企業ブランディング、効果的なビジネスコミュニケーションについて、日本のビジネスシーンで貢献。また関西外国語大学英語キャリア学部の教授として、マーケティングや、マルチメディアを活用したプレゼンテーション論などを教えています。「型にはまった息苦しい会議室の記憶を消しなさい」。関西を活動の拠点としながら、次世代を担う人々の”メンター”として働きかけ続ける彼の言葉は、ビジネスの世界を未来へ導く新たなビジョンの表れなのです。
» TEDxTalks | Story, Imagery, & the Art of 21st Century Presentation
ジェイク アデルスタイン
調査ジャーナリスト
いわゆる「社会の闇」というものについて、わたしたちはどれだけ真剣に考えているでしょうか。普段、新聞やテレビ、インターネットなどでこまめに情報収集をしている人も、いざ自分の身の周りに潜む危険となると見て見ぬふりをしがち。さらには、忙しくてニュースさえもチェックする余裕がないという人も少なくないでしょう。そんな時代だからこそ、ジェイク・アデルスタインさんのような、調査報道を専門とするジャーナリストが世界中で活躍していることが重要なのです。アデルスタインさんは、1993年から2005年まで事件記者として読売新聞に勤務。現在は、アメリカのオンライン紙「アトランティック・ワイヤー」に執筆したり、日本の闇社会の実態を暴く「japansubculture.com 」を運営。さらに人身売買や、性的搾取、子供に対する労働力搾取の撲滅を目指すボランティア組織「ポラリスプロジェクト・ジャパン」の役員としても活躍しています。身の周りの危険を報道するだけでなく、日本の闇社会に光を当て警鐘を鳴らすことで、安全な社会を目指し力強く歩んでいるのです。著書に、日本の警察事情や裏社会について書いた「Tokyo Vice」、2014年には 「The Last Yakuza: A Life In the Japanese Underworld」を出版予定。
キャサリン カレッジ
創造的デザインリーダー
「偉大なる変革は、大胆な決断があってこそ」とは、歴史から得られる教訓のひとつ。現在、ソフトウェア企業「シトリックス」のプロダクトデザイン担当副社長として活躍する、製品デザインのイノベーター、キャサリン・カレッジさんは、まさにそんな決断力に優れた人物です。元「セールスフォース」のユーザエクスペリエンスディレクタで、ヒューマンインタフェース工学を専門としている彼女は、世界に通用する製品デザインによって、これまでにない体験を顧客に提供しようと情熱を注ぎ、2011年にはシリコンバレーの「40歳以下の優れた技術リーダー40人」に選ばれたことでも知られています。また、著作活動のほか、スタンフォード大学、カリフォルニア芸術大学などにおけるビジネスや技術といった幅広い分野での講演、起業グループのアドバイザーなどの仕事を通じて、自分のビジョンを広げてきました。さらには、トライアスロン選手でもあり、白血病とリンパ腫協会の役員会メンバーという一面もあります。良いデザインを原動力に、シリコンバレー、ひいては世界の企業文化を変えようと奮闘し続けている彼女。明るい未来を創るために、そのエネルギーと決断力をいかんなく披露し続けてくれるでしょう。
» TEDxTalks | Igniting creativity to transform corporate culture