イベント概要
登壇者
観客は、映画館のスクリーンや舞台で演じる役者から、彼らの実像をうかがい知ることは、ほとんど困難である。ジョージ・タケイは22歳で初めてテレビカメラの前に立つまでに、想像を絶する苦難を乗り越えてきた。日本人というだけで、米国の強制収容所の鉄条網の中で少年時代を過ごすことを余儀なくされた。しかし、俳優になるという夢はくじけることなく、50年にも及ぶテレビ、映画、舞台での活躍の中で、何度も果たされることになる。更に、彼の夢は大きく広がり、現在は「政治活動家」「社会評論家」「作家」としての活動を行うと同時に、「インターネット上でも大きな存在」となっている。ひとつひとつの夢はそれぞれに人々を勇気づけると同時に、ジョージ・タケイをまだほとんどの人が踏み入ったことのない未知の地へ果敢に向かわせる力になっているのである。
パトリック・リネハンは、在札幌米国総領事館および在東京米国大使館勤務を経て、現在は駐大阪・神戸米国総領事館で総領事の任務に就いている。総領事の前には外交官として、韓国、ブラジル、ニュージーランド、カナダ、フィンランドの米国大使館で多くの実績を積んできた。公職経験だけを見ると、彼は普通の外交官と同じように見える。しかし彼が多くの外交官と異なるのは、ゲイであることを自ら公表し、結婚相手のエマーソンと共に、人々が「多様性」を認め合う社会作りの大切さを果敢に唱える活動を行っていることである。人々がお互いの違いを尊重して共存できる世界の実現を願って、「人は皆一人一人違う。違うということは素晴らしいことである」というメッセージを発信している。